国勢調査と聞くと、5年に1回、国が住民把握のために行うものというイメージが皆さんにはあるのではないでしょうか。
とにかく根ほり、葉ほり聞いてきて、回答も非常に面倒くさい。
なので拒否したくなる人も出てくるとのことですが、実はこれ、国民の義務だったりするんですよね・・・
国勢調査の文面を読んでみると、その内容がしっかり書いており、回答しないことは義務違反に相当するんだとか。
まぁ、そんなこと国民としてはどうでもいい話なんですけどね!
さて、今回は現実世界の国勢調査ではなく、今、利用者が爆発的に増えてきているVR(バーチャル空間)にいる人々の国勢調査を行うことについてです。
ちなみに、前回の第1回VR国勢調査の記事については以下のリンクから確認することもできます。

Contents
実施者の紹介
今回のVR国勢調査2023の主催者は、以下のお二方です。
(敬称は省略しております。)
お二方とも第1回のVR国勢調査の際にも、主導となり、VR世界の現状をしっかりと把握し、その問題点と改善策についても、議論を行っております。
バーチャル美少女ねむ
日本が誇る代表的Vtuberであり、作家、歌手など、マルチなタレント性を持つ。
メタバース文化エバンジェリストの肩書も持ち、HTC公式VIVEアンバサダーでもある。
2022年に解説書『メタバース進化論(技術評論社)』を出版。
(この本に関する記事についてはこちらから)
「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門で同書が大賞を受賞したことも記憶に新しい。
Twitter : https://twitter.com/nemchan_nel
『メタバース進化論(技術評論社)』特設サイトhttps://note.com/nemchan_nel/n/n464c528e9b7a
リュドミラ・ブレディキナ
マルタ大学 社会福祉学部 ジェンダー&セクシャリティ学科で博士課程在籍。
2022年に「バ美肉」「VTuber」に関する修士論文で、ジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」を受賞。
バーチャル美少女ねむ氏とともに、第1回VR国勢調査(2021年実施)を行っており、その中で、VR内でのセクシャルハラスメントへの警鐘や、「ファントムセンス」によるプレイヤーへの物理的嫌悪感についても語っている。
Twitter : https://twitter.com/BredikhinaL
学術ポータル : https://malta.academia.edu/LiudmilaBredikhina
ミラが「バ美肉」論文で学術賞「プリ・ジャンル」受賞
https://note.com/nemchan_nel/n/ne05416248557
TBWA Worldwideによる「Nem x Mila」へのインタビュー映像
https://www.youtube.com/watch?v=AlSqZfnXqKg


今回の調査内容について
今回の調査内容については、「人口増加がもたらした変化」について調査していくとのことです。
また、事前アンケートで住民から多く声が寄せられた
- コミュニティ
- 経済
のトピックについても、調査内容を拡大し、調査を行うとのこと。
コロナ渦での巣ごもり需要が起きた背景と、技術進歩によりVRゴーグルの安価化が進んで、2023年の今。
実際にVR世界の住人たちはどのような生活を送り、どのような発展、広がりを見せてきているのかが焦点となります。
これは、そこに存在する住民だけではなく、今後、世界経済をも巻き込む可能性を秘めているVR世界を知る上でも、最も重要な調査だと筆者も感じます。
調査方法などについて
VR国勢調査2023の詳細については以下のとおりとなります。
実施方法
日英バイリンガルに対応した、GOOGLEフォームによる回答方式を採用。
回答時間は約5~8分を目安として作成されている。
調査目的
ソーシャルVRのユーザーの生活実態を明らかにするために行われる。
レポートについては、個人情報は非公開。
結果については無償で公開される予定である。
調査対象者
VRヘッドママウントディスプレイを用いて、ソーシャルVRを直近1年以内に5回以上使ったことのあるユーザー。
ソーシャルVRとは
VRChat、NeosVR、cluster、バーチャルキャストなどを指す
調査対象外ユーザーについて
デスクトップ・スマホからのみの利用者
回答受付期間
2023年8月28日(月)から9月16日(土)まで
回答フォーム
利用者の回答フォームは以下のURLから回答することが出来ます。
https://forms.gle/MioYh6a3Kx5CZQUc6
今回の公式サポーターについて
今回の「VR国勢調査2023」の公式サポーターについては、以下の企業、団体にご協力いただき、実施しております。
株式会社HIKKY
メタバース上で世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット(Vket)」を企画・運営している団体。
公式サイト:https://www.hikky.co.jp/
PANORA
「日本にVRを広める」をミッションとする日本初のVR専門ニュースメディア。
公式サイト : https://panora.tokyo/
メタカル最前線
ソーシャルメタバースの「いま」と「可能性」を「メタバース住人」の視点から届ける発信するニュースメディア。
公式サイト : https://metacul-frontier.com/
VRアジト
「TGS2022」で「Discord社おすすめサーバー」に選ばれた、MyDearest株式会社によるVRユーザーコミュニティ。
Discord : https://discord.gg/vragit
AXON PARK
デジタル学習のためのメタバース空間のバーチャルキャンパス。
公式サイト:https://axonpark.com/
株式会社ブイノス
「Vの者がVのまま社会参画できる未来」を目指す実践検証組織。
公式サイト : https://vnos.dev/
マルタ大学
人工知能分野の上級講師である「ヴァネッサ・カミッレーリ博士」がアドバイスや協力を実施する。
公式サイト:https://www.um.edu.mt/profile/vanessacamilleri
結論
前回の2021年に行われた「VR国勢調査」では、主に使用するユーザーに焦点を置いた調査内容が多くみられた。
しかし、今回はその部分に加えて、経済やコミュニティなど、より幅広い内容について、質問を行い、ミクロ的な視点からマクロ的な視点へのシフトチェンジをしているのが、一番の見どころでないだろうかと筆者は考える。
筆者も、Vtuberをはじめとする活動者のインタビューをしているが、その中でもVRに携わる活動者さんも多いため、今回の国勢調査には、微力ながら宣伝・啓蒙活動をしていきたいと思っている。
前回の調査結果では「ファントムセンス」「VRセクハラ」などが最も印象に残っており、今回もまたその部分に注目をしている。
その他にも今回から追加となった「経済」分野から見たVR世界の現状についても、気になるところではある。
まだまだ技術革新によって、VR世界は広がりを見せていくことに変わりはないだろう。
しかし、まだ物理世界のように万国共通での法整備がなされている状態ではなく、あくまでも現在使用しているユーザーのモラル、つまりは性善説に則って運営されているのが現状である。
この状況が、今後どのような変遷を経て、物理世界と変わらない自由を獲得していくところが、我々人類が見届けなければいけない義務なのかもしれないですね。
まずは、現在VRにて活動をしているプレイヤーの皆様には、お手間でも今回の「VR国勢調査」にご参加いただき、日ごろから思っている胸の内を伝えていただきたいと思います。
そして、よりよいVRライフを過ごしていけるよう、自らの手で勝ち取って以降で会はありませんか!
そのためにも、ぜひともご協力のほど、よろしくお願いいたします。