音楽好きの人からすると、夏と言えば野外フェスというものが楽しみの1つなのではないでしょうか。
日本三大フェスと言えば、「フジロックフェスティバル」「サマーソニック」「ロック・イン・ジャパン」が有名ですよね。
どのフェスも連日のように、有名アーティストたちが、会場をホットに盛り上げ、暑さすらも忘れさせてくれる、熱いパフォーマンスを魅せてくれます。
しかも集まっている人たちは同じ音楽を愛してやまない同士たちがいるのですから、会場全体がボルテージMAX。
もはや興奮のるつぼと化しているのが容易に想像できることでしょう。
そのような文化は、Vtuberをはじめとするバーチャル世界でも行われていることをご存じでしょうか。
歌をメインコンテンツに据えているVtuberさんたちが、それぞれ手を取り合って、各時間ごとに自分の配信枠での歌を披露し、そのバトンをつないでいく「歌枠リレー」と言われる企画なども、ここ数年では行われています。
視聴者からも非常にウケがよく、この歌枠リレーで新たな推しVtuberを見つけるなんてことも、最近では珍しくないようです。
そんな中で、今回筆者が取材していくのはなんと、VR世界関連でフェスを行うという「バ美肉ロックフェスティバル」というイベント。
完全にボイスチェンジャーを使った人たちが、自らの限界に挑戦すべく、多くのバ美肉Vtuberの人たちが歌というバトンをつないでいく。
そんな前代未聞の大イベントが近々開催されるとのことでしたので、ぜひともお話を聞きたく、運営員会への取材アプローチを敢行!
なんと、快くお受けいただけましたので、今回は実行委員の一人である「かわみやかなえ」さんにお話を聞いていきたいと思います。
「かわみや」さんは、以前にも当ブログのインタビューにもご協力いただいている方ですので、ここでしか聞けないような、レアな情報も聞けるかもしれません!
張り切って、インタビューを通してどのようなイベントなのかを聞いていきたいと思います。
【バ美肉ロックフェスティバルの公式ホームページ】
https://x.gd/U3cBO(詳細などについては、こちらからご覧ください)
Contents
開催日時・タイムテーブル
開催日
DAY1:8月26日(土)17:30 ~ 24:30
DAY2:8月27日(日)13:00 ~ 22:00
タイムスケジュール

イベントについて
今回の開催のきっかけ
元々、各位でぼんやりと
「ボイチェン勢が、皆でやれるボイチェン勢だけの歌枠リレーとかあっても良いのでは?」
という想いは心に秘めていたようです。
私も同じでした。
直接のきっかけは、実行委員長の斎宮クオン(以下、クオンちゃん)の配信に私とこばんちゃんがコメント欄で一緒してたときに、歌枠リレーの話になりまして・・・
「じゃ、早速計画しよう!」
ということで、ディスコードで話が始まるんです。
丁度、そのタイミングで星森ステラちゃんがTwitter(現X)で
「ボイチェン勢での歌枠リレーとかって無いのかなー?」
みたいなことを投稿したので、すぐに私の方から誘って実行委員になってもらいました。
最初の大元のスケジュール感は、クオンちゃんにやってもらい、そのスケジュール感で動いております。
割と気を使って他のイベントなどとの競合も考えてくれたので、開催日はすぐに決まりました。
我々、それぞれの中ではやりたいという気持ちは、ぼんやりとはあったのですが、実行に移すとなると、何かしらの「きっかけ」が必要で、そのきっかけは「斎宮クオンちゃん」の配信にコメント欄で同席したからということになりますね。
イベントタイトルの「バ美肉ロックフェスティバル」はどうやって決まったか
ホントに語呂が良いというので、スグ決まりました。
フジロックをヒントに・・・
(ヒント?というか語感が同じですけどもw)
略すときも「バ美ロック」なんて呼ばれやすいのではないか?
ということで決めました。
タイトルにロックと付いているものの、ジャンルを「ロック」に固定したりはしておらず、懐メロでも、ゲーム音楽でも、許容できる範囲は特に制限はしていないです。
(そもそもボイチェンして歌うってこと自体が「ロック」な行為ではありますからw)
そういえば、イベントのロゴなんですけど、すぐに「こばんちゃん」がすばらしいロゴをお友達に頼んで作ってくれて!
メチャメチャ完成度高いビジュアル的にも、とてもインパクトあるものを作成してもらい、びっくりしました。
細かいところにボイチェン機材のツマミのイメージとかあったりして、素敵なロゴにも注目してほしいです。
準備で大変だったこと
大きくは2つですかね・・・
1つめは「各出演者の配信枠組(当日配信スケジュール)」でしたね・・・
多少、予想はしていたのですが、出演者には「希望時間」を全員聞いたのですが、どうしても夜の方に固まっているのと、逆に昼の早い時間にしか都合がつかない出演者が多くなりまして・・・
実行委員側は自分達がどこに出ても大丈夫なように、スケジュールは空けてありましたが。私達を適宜に配置しても、時間帯に穴が開いたりしてしまう状況でした。
スケジュールに関しては、ステラちゃんが頑張ってくれて、割と良い感じのタイムテーブルになったと思っております。
もう1点は著作権関係のチェックですね。
この点については実行委員側で意見は一致していて、不正な音源は使わないように全曲提出してもらって、全員分をチェックしています。
(必要なものは波形も見比べ、ボーカル抜き音源などの場合は差し替えをお願いしています)
やはり、これだけの出演者が居て、ここまで大がかりなイベントであるのに、どんな音源でも使ってよいですとなってしまうと、「あのイベントは著作権に問題があっても見て見ぬふりをしている」とか、「ボイチェンVさんは著作権に無関心な人しか居ない」とか、シーン全体に飛び火してしまうような話に繋がりかねないので。
そもそもが我々も歌い手としてステージに立つわけで、その辺りの知識についても出演者とも共有したかった意識もありました。
最初は実行委員でお話をしていたということですが、このようなイベントは計画時点で、どんなことから話し始める感じなのか?
最初は2023年4月2日にディスコードの会議室が出来た感じで、割と期間はありましたねー
(アッという間でしたけどもwww)
最初の頃は、「どういうコンセプトでやっていくか?」を実行委員で話す感じでした。
今回全員で一致していたのは
「ボイチェンして歌うということの楽しさを伝えたい」
「ライブという形にこだわりたい」
ということでした。
前者で言えば、特に歌唱力などのスキル等は問わないことにしておりましたし、後者は想いのこもった生歌を、リスナーさんに出演者さんには届けてもらいたい。
収録となるとMIX等、別の技術にフォーカスが行ってしまうので、それは避けるようにしたかったのがありますね。
「ボイチェンで歌う」って言うこと自体は、それなりの音響知識とかスキルは必要なので、そもそもがそこにハードルがまず存在します。
(多くのソフトウェアでボイチェンしている方々はシステム的な「遅延」との闘いが一番大きいので)
今回出て頂いている方々は、その辺りもカバーしながらパフォーマンス出来る方々ということになります。
メンバー集めはどのようにしたのか
今回は初企画ということもあって、最初から全体公募はせず、実行委員内で何人かを招待しまして、残りは公募で出演して頂ける方を募りました。
条件としては複雑なものは無く、「30分以上の歌枠を当日までにやってもらう」、「ボイチェンで歌唱を行うこと」など、シンプルなもので広く集めたかったのはあります。
結果、26名が出場という形で、実行委員側としては予想外に多かったと思っております。
Twitter(現X)を見ていると、実際はもっと出たかった人が居たようです・・・
先のことなので、スケジュールが確定できずにエントリーを断念した方や、自分のイベントと重なってしまった方もいらっしゃいますので。
最近はホントにみなさん喋れるってだけでなく、歌えるって人も多いってことですね!
ここ数年で状況が様変わりして来ているのを感じます。
少し前だと「ボイチェンで歌えるという技術」が一部の方にしか出来ないような見え方でしたが、実際はそんなでも無くなっていて、改めて私の知っている限りで「ボイチェンで歌を歌える人」を数えてみたところ、56名いらっしゃいました!
これも氷山の一角なんじゃないかと思っています。
私なんかは歌枠しか配信していないので、シーン全体で盛り上がってくることは本当に素敵なことだと感じています。
今回のバ美肉ロックフェスティバルにかける想い
かわみやかなえ
「個人的には『歌枠リレー』というものがあると知ってから、いつかボイチェンの人達だけでこのリレーが出来ないか?
もっとフォーカスを当てられないか?
って、考えるようになりました。
そのぼんやりが実現すると思うと感慨深いです・・・
一人でも多くの人に、「ボイチェンで歌うことの楽しさ」が伝われば良いなと思います!
例えば、「このイベントを見てボイチェン始めました」とか、「歌を始めました」なんて人が出てきたら最高ですね!
私自身もとても楽しみにしていますし、目一杯自分も楽しもうと思っております。」
星森ステラ
色んなVtuberさんが歌枠リレーやってていいなー。
でもわたしは「ボイチェン勢」だから縁がないだろうなーと思っていたので、まさかこのような大きな歌枠リレーに、しかも主催側で関わることになるとはと今でもビックリしています。
やっぱり「ボイチェン勢は遅延あるし、リアルタイムで歌えないよね」っていうのが一般的な認識で、わたし自身もボイチェンで歌う人ってそんなにいないだろうなーって思っていたのですが、今回の企画で参加者を募る中でたくさんのボイチェンで歌える人がいることを知りました。
今回のバ美ロックを通じて、「ボイチェンでもこんなに歌える、歌うことって楽しい」っていうことを伝えられたらいいなと思います!
猫迩こばん
ボイチェンで歌う事って、表現の一つの手段であり、それぞれの個性であったりパフォーマンスであったり、様々な形が存在しています。
しかしながら、特殊なジャンルという事もあり、認知がされにくいというのも否めない部分があるかもしれない。
今回のイベントは、少しでもこのジャンルを知ってもらい、こんな世界もあるんだという事を認知してもらう「キッカケ」になってくれれば嬉しいなと思います。
千差万別、いろんな色を持つ各バーチャルシンガー達の祭典。 きっと皆んなの心に響いてくれると信じています。
十勝より酔っ払い猫からの愛を込めて
(これを貰った際、こばんレーシングのレースチームで北海道の十勝で転戦中。)
斎宮クオン
【ボイチェンバ美肉Vtuber】
ここには、みんなが考える理想のお声。
それは、いろんなお声があると思うんです。
そこには、それぞれのみんなが考える「カワイイ」や「カッコイイ」を詰め込まれたお声があって。
そのお声で歌うのは、私たちにとって切実に希求してやまなかった、共通の理想の姿だと思うのです。
しかし、それを実現させてくれる情報は限られていて、一番触れやすい情報から入る「ソフトウェア・ボイチェン」勢の人は、「音の遅延」という大敵とも戦いながら配信をやっています。
音の遅延というのは、0.5秒でも遅延があると普通のトークも難しくなります。
0.1秒でも遅延があると歌うのは、かなり困難になるんです。
そんな中「歌ってみた動画」ではなく「ライブ」というカタチで「補正なし、Mixなし、動画編集なし」で、いつも「First Take」のような一発撮りで勝負する人たちが、私を含めている。
でも当事者以外からは、この人はボイチェンしてるから。
みんなに聴かせているのは、実は補正してるんじゃないかとか。
実はMixされてて実力じゃないんじゃないかとか。
そんな風に思われてるかもしれない。
私の思い過ごしかもしれないけども、そうした偏見を払拭できないかなって思ってました。
もちろん「歌ってみた動画」や「歌のMix」にも、その良さがあります。
それはもうたくさんの人が知ってくれていると思います。
なので私は、それ以外の存在にも注目してもらえたらいいなって思いが、今回の企画には込められています。
なぜなら、この「ボイチェンで、かつライブで歌を歌っている」というのは、とても難しく、そして様々な知識と技術とカラダづくりが必要ですので。
この機会に、その集大成の発表の場と機会の提供を通じて、参加してくれるみんなが生み出す「多様な理想のバ美肉ボイス」を、出演者のみんなも、リスナーのみんなにも楽しんで参加してもらえたら、きっとより多くの人に【ボイチェンで歌っているバ美肉Vtuber】という存在を、知ってもらうことができるんじゃないかと願っています。
関連情報
イベントに先駆けて、運営チームによるスペシャル配信が行われております。
こちらも併せてご覧ください。
ティザームービー公開記念配信
直前生放送スペシャルコラボ配信
結論
さて、前人未到の大イベント。
「バ美肉ロックフェスティバル」の詳細について、委員代表の「かわみや」さんにインタビューをして、その詳細についてお聞きしてきました。
まさにイベント内容は「夏フェス」をそのまま、VR世界に持ってきたかのような、壮大で非常にワクワクするようなイベントですよね!
その裏では「かわみや」さんをはじめとする運営スタッフの方々の血のにじむような苦労の跡がはっきりと見え、感じることが出来ます。
これまで、Vtuberによる「歌枠リレー」などは、幾度となく開催されてきましたが、「バ美肉」Vtuberのみに限定して「歌枠リレー」をしたのは、世界でもこれが初なのではないでしょうか。
少なくとも、この業界で取材をしている筆者の中では、聞いたことのないイベントでしたので、間違いなく世界で初めての試みだと思います。
普通の「歌枠リレー」よりも技術力、歌唱力、感動の度合いは段違いで高いと感じられますので、ぜひ当日お暇のある方は、各歌い手さんの歌を聞きに、チャンネル訪問をしてみてはいかがでしょうか。
きっと、今まで見たことのないような世界が、そこには必ず広がっているはずです。
最後に、今回のフェスを運営している4名の方々を始め、参加される皆様が無事にフェスを成功させ、今後ともご活躍をされていくことを切に祈っております!
では、皆さん。
次はバ美肉ロックフェスティバルの会場でお会いいたしましょう!