いつものように情報収集をしていると、とある記事に目が留まった。
バーチャル美少女ねむの歌声、秋葉原に響く「メタバースデイ」巨大ビジョン放映中
もう秋葉原がアニメ・ゲームの街ではなくなったなと個人的に思ってから、はや十数年。
久しぶりに今の秋葉原の様子を見ることができた。
懐かしい思いと共に、
と思い、記事をリツイート。
そこで、事件はおきました。
なんと、このリツイートにご本人である「バーチャル美少女ねむ」さんから「いいね」をもらってしまったんです!
・・・マジですか?!

そこから「バーチャル美少女ねむ」さんと、Twitter上で軽くお話。
なんでも、メタバースに関する著書を出したというお話を聞き、興味を持った筆者。
ぜひ買いますといったまでは良かったんですが・・・
つい、ブログのネタにしたいと思い、
とお聞きしたら、快諾!
なので、届いたその日に全集中の呼吸で読破しちゃいました。
ということで、今回は「バーチャル美少女ねむ」さんの著書である「メタバース進化論」の感想と筆者の考察について書いていきたいと思います。
今回筆者が読んだ著者「バーチャル美少女ねむ」先生の本はこちらからご購入ください。
Contents
メタバース進化論に対する筆者の考察
最初に。
この本を読破して最初に思ったことは、本ではなく論文を読む覚悟で読まないと読み切れないと感じました。

なんというか、大学の教授が研究している研究論文を渡されて、読んだ感じ。
それほど濃厚で濃密な本であったと感じられました。
正直言って図や挿絵もすべてカラーで記載されているのに、本体価格が1,980円(税込み)というんだから、びっくりです。
これ、ねむちゃんに利益あるんですか?ってくらいの内容量。
もし、メタバースの何たるかを知りたい。
そう思っている人がいるのであれば、ぜひとも本書を購入していただきたい!
今回筆者が読んだ著者「バーチャル美少女ねむ」先生の本はこちらからご購入ください。
原住民だからこそできたビックデータ収集
内容についてはさすがはメタバース原住民。
メタバースに住む人たちからの信頼も厚く、今回の書籍発行のために行った「バーチャル国勢調査2021」も約1,200人からの調査回答を受け取っていた。
そのことを考えると、いかにねむちゃんがこの世界で名前が知れ渡っており、同じメタバースの人たちの気持ちがわかっているかが感じられる。

さて、その調査内容についてだが、質問内容は多岐にわたる。
- 現実世界(書籍中では物理世界と表記)とバーチャル世界(書籍中では仮想現実と表記)での性別に差異はあるか。
- 普段はどれくらいの時間を仮想現実世界で過ごしているか
- どのような容姿であるか
- 年齢はいくつなのか
などが一例である。
調査内容は「国勢調査」と名がつくのがうなずけるほどの項目数であった。
物理世界であれば答えるのをためらう人や拒否する人も多数出てくるのが筆者の経験である。
しかし、仮想現実では物理世界に比べて調査への協力具合が段違いであると感じた。
筆者が懸念していること
①物理世界の浸食
本書を読んで筆者が感じたことは、ねむさんが
仮想現実までもが物理世界と同じルールに則って活動しなければいけないかもしれない。
ということに懸念を示しているところであった。
これについては、筆者も同じ見解を示す。
書籍中にも頻出していたが、Facebook(現:META)社が取り組んでいる「HORIZON WORLDS」

これだ。
今現在は、ねむさん曰く「荒野のフロンティア」化しているメタバースの仮想現実。
しかし、筆者はMETA参入こそ「情報統制の始まり」なのではないかと警鐘をならしたい。
これは、筆者の経験である。
かつてアニメがアンダーグラウンドな世界、つまりはオタクだけによる統治世界にあったころと路線が似ている。
まだ認知されず、市民権を得られなかった頃のアニメは、周りからも疎まれ、最悪の場合は頭がおかしい人間だとも思われることもあった。

その中でも、自分たちがその場所では自由に自分自身を開放できた。
アニメをひっそりと見ながら、時には主人公たちと共に泣き、時には主人公たちから勇気をもらい自分だけの世界を展開していた。

その展開した世界観を物理世界の同志たちと語り合う。
そんな日々が筆者にとってはかけがえのない心のよりどころであった。
しかし、月日は流れ、アニメが市民権を得ると同時に、そのアンダーグラウンドのものだったアニメから急にお金の匂いがしてきたのだ。
そうなると、毒が回るのは早い。

一気にアニメはオリジナリティを失い、原作ありきのコピー作品になりはてしまう。
制作についても、「OO制作委員会」なるものが作られるようになり、お金だけがかかり、そこまで面白いと思えるようなアニメが減ったように感じられた。
その流れを本書を読んで、仮想現実にも同じことが起きるのではないかという懸念が出てきたのだ。
筆者のねむさん曰く、
今は個人間で金銭等の取引をするプラットフォームが仮想現実上ではできない。
とおっしゃっていた。
仮想現実でそのようなことが実装されれば、なんと素晴らしいことであろうか。
物理世界では越えなければいけない障壁が多々あるのに対し、仮想現実ではその障害はないに等しい。
そう考えると、今まで何らかの理由で参入をあきらめていた隠れた原石たちが、日の目を浴びるために顕在化してくるであろう。
しかし、ここに物理現実の制約が乗り込んできたとしたら・・・

結局は仮想現実もなんら変わらない、物理世界の延長上でしかなくなってしまう。
そうなってしまうと、「現実って何?」というパラドックスを起こしてしまうのではないかと筆者は懸念する。
②技術進歩の限界
筆者は大学時代にコンピューター、主にプログラミングの学科を卒業してきた経歴を持つ。
卒業したのは10数年前になるので、あの時代に比べれば確かに世界は見違えるほど変わった。
特に通信インフラについては、目を見張るものがある。

また、ソフトウェアについても年々新しいものが登場し、物理世界の生活をより豊かにしてきていると感じている。

しかし、ここで1つだけさほど変わっていないものがあることにお気づきだろうか。
そう、ハードウェアの分野である。

かつては日進月歩で3年もすれば、過去の知識は化石同然。
常に学び続けなければいけない時代であった。
しかし、ハードウェアの開発については、10数年前から何か変わっただろうか。
細かい面でみると変化はあるだろう。
しかしながら、大きな変化。
つまり、Windows10がWindows11に劇的な変化をしたような、大きな変化はあっただろうか。
筆者の答えはNOである。

メモリやCPU、グラフィックボード、サウンドカードなど、様々なハードウェアはあれど、大きく形を変えたものは少ないだろう。
確かに小型化、高性能化はしている。
画期的な変化を遂げたとするならば、HDD(ハードディスクドライブ)がSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)に変わったくらいだろう。
けれども、根本的な進化というものは大きくしていないように感じられる。
この点について、筆者であるねむさんは
これがメタバースへ参入する第一のハードルになっている。
と述べていたと記憶している。
そう考えると、今後物理世界が本気で仮想世界のことを考えて発展させていきたいと思うのであれば・・・
安価でハイパフォーマンスの出せるハードウェアの開発をしなければならない。
イメージするならば、書籍中でもねむさんが事例として挙げていたが、映画「マトリックス」の世界のようなものが市中にあふれかえらなければならない。

そうでもない限り、仮想現実は現状から進化はしていけないのではないかと思います。
③住民統制の必要性
何の業界でもそうですが、ある程度の人口が業界に流入してくると、かならずわいてくるのがハズレものの存在。
何か問題を起こしたり、事件を起こしたりして、せっかく規律正しく楽しんでいる住民が被害を被る図式になっている。

今現在はミュートなどの設定等によって、住民たちは安心した生活を送ることができているが・・・
これが今の10倍、100倍となった場合。
仮想現実は安心した統治世界になるのか、心配なところである。
そう考えると、統治を円滑に進めるための職業というものが必要になってくるのではないかと思う。
この点については、仮想世界での新たな職業、名づけるとするならば仮想自警団?とでもなるのでしょうか。
そういう仕事も今後、活躍の場ができてくるのではないかと思います。
もしくは、AIによる巡回サービスの提供とかもありかもしれませんね。
どちらにせよ、統治国家を形成するためには自警する手段がなければ、いくら宝石の宝箱といえども持ち逃げされて終わりになってしまいます。
そうならないためにも、検討はしているのでしょう。
しかし、今後の安心した仮想世界生活を送るのであれば、このような点にも気を配っていかなければいけなくなるのではないかと考えます。
「バーチャル美少女ねむ」さんについて

バーチャル美少女ねむさんについては以下のとおりです。
プロフィール等
- 個人系バーチャルYouTuber
- メタバース文化エバンジェリスト
- HTC公式VIVEアンバサダー
- VTuber企画プロデューサー
- ブロガー
- 暗号通貨投資家
- 作家
- 歌手
- 活動期間:2017年9月11日 ~
- 活動ジャンル:コメディ、仮想通貨、科学技術
「バーチャル美少女ねむ」さんのyoutubeチャンネルはこちらから
著書
小説 | 『仮想美少女シンギュラリティ』 | 2019年5月1日、VTuber文庫 |
メタバース解説書 | 『メタバース進化論――仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』 | 2022年3月19日、技術評論社 |

今回筆者が読んだ著者「バーチャル美少女ねむ」先生の本はこちらからご購入ください。
シングル
1st | でぃーぷ☆らーにんぐ | 2019年
2月28日 |
デジタル・ダウンロード | 作曲 : Kapruit作詞 : Kapruit + バーチャル美少女ねむ
歌:バーチャル美少女ねむ |
2nd | ココロコスプレ | 2020年
6月4日 |
デジタル・ダウンロード | 作曲 : Kapruit作詞:ニルス/九泉似亜 + バーチャル美少女ねむ
歌:バーチャル美少女ねむ クラウドファンディングで楽曲とMVを制作。 「ココロコスプレ 特別ミニアルバム」収録。 |
3rd | キミノキオク | 2020年
8月13日 |
デジタル・ダウンロード | 作曲 : Kapruit作詞&歌:バーチャル美少女ねむ
コンピレーションアルバム「Virtualic Nation」収録。 |
4th | Virtual Stargazer | 2021年
4月19日 |
CD/デジタル・ダウンロード | 作詞・作曲:Maggg-Nolia歌・作詞原案:バーチャル美少女ねむ
コンピレーションアルバム『ヴァーチャル:スタァゲイザー』収録[54]。 |
5th | ファントムセンス | 2021年
8月27日 |
デジタル・ダウンロード | 作曲 : Kapruit作詞:日熊小歌 + 名もなき”ファントム”達
歌:バーチャル美少女ねむ クラウドファンディングで楽曲とMVを制作し、360°MVを公開。 |
6th | 仮想美少女カタストロフィ | 2021年
11月2日 |
デジタル・ダウンロード | 作曲 : ぼいどす作詞:ニルス/九泉似亜
歌:バーチャル美少女ねむ |
アルバム
1st | ココロコスプレ PERFECT WORLD | 2021年3月6日 | デジタル・ダウンロード | 編曲:Kapruit |
2nd | ファントムセンス USB TYPE-P | 2021年11月6日 | デジタル・ダウンロード | 編曲:Kapruit |
結論
今回、神がかり的なご縁で「バーチャル美少女ねむ」さんの著書を拝読させていただきました。
筆者自体もこの分野に関しては、非常に興味があったのですがなかなか踏み出せずにいたので・・・
これを機会に、書籍を読んで「なるほどなぁ」とうなずいたり、「この部分が課題なんだよなぁ」と思うことがたくさんありました。
仮想現実の世界では皆が本当の意味での「自分らしく生きる」という生活を送っているのを目の当たりにして、うらやましいと思ってしまいました。
筆者も当然、嫁とプリキュアを見たりするので、女の子になってファッションとかしてみたい。
そんな風に思ってコスプレなんかも考えた時期がありました。

また、入れ替われるなら物理世界で女の子になりたいと思ったことさえあります。
(ただし、嫁を見ていると毎月のアレが苦しそうなので、それだけは可哀そうだといつも思います)
しかし、仮想現実なら「何でもんでもなれる、何でもできる」の世界。

自分の好きなように生活することができる。
それも、肌の色や言語の壁も飛び越えて。
そういう意味で言うと、仮想現実というのは新たな人類のコミュニケーションツールになりうる最大の技術なのではと考えるようになりました。
なので、金もうけだけに走るような輩が入ってきてほしくない。
住民たちが安心して自分らしく生きていける世界を壊さないでほしい。
そう心から願います。
今回筆者が読んだ著者「バーチャル美少女ねむ」先生の本はこちらからご購入ください。
最後に、今回の記事作成にあたりまして、著書宣伝の許可ならびに画像提供をしていただきました「バーチャル美少女ねむ」さまに改めて御礼申し上げます。

ご協力賜りまして本当にありがとうございました。