件名:【課題提出】論文「メタバースにおけるハラスメントについて」
FROM:VRメタバース科 月宮みやび(VR‐4151270)
TO:バーチャル美少女ねむ 先生
CC:リュドミラ・ブレディキナ 先生
お疲れ様です。
VRメタバース科の月宮みやびです。
標記の件について、課題となっていました論文に対する考察を以下のとおり提出いたします。
ご査収の程、よろしくお願いします。
以上
ということで、本記事ではバーチャル美少女ねむさんと、スイス在住のミラさんが行った「メタバース内におけるハラスメント」の論文について。
現実世界でもハラスメントは社会問題になっているが、果たしてメタバース内ではどのような状況になっているのか。
2人が調査した論文をもとに、ハラスメント防止のためにはどのようなことが必要なのかを考察していきます。
物理世界と仮想世界ではどのような違いがあるのか。
または現実世界と同じ問題が発生しているのか。
しっかりと論文を読んで状況把握を行っていきましょう!
メタバース内でのハラスメント状況
結論から行くと、現実世界とハラスメントの状況は変わらない。
メタバース内であると、男性であっても女性のアバターを使用することができる。
これに加えて、ボイスチェンジャー等の変声器を使用し、見た目にも音声的にも女性であると認識できてしまうと、その被害の的となる。
被害として、特に顕著にみられるのが、
- 必要以上のボディータッチ
- 相手に他する性的発言
- ヘイトスピーチや嫌がらせ行為(特に北米で多い)
の行為である。これらの行為は現実世界でもハラスメントと認められるケースが多い。
となると、考えられることは「プレイヤー自体のモラル」の問題となってくる。
従来のインターネットサービス、例えばSNSやオンラインゲームなどでも同じことは問題になっている。
たとえば、オンラインゲームで見知らぬ相手とパーティを組んだ際に、自分の思いどおりにいかずに暴言を吐いてみたり。
たとえば、ボイスチャットで話した相手があまりにも好みすぎて、ストーカーまがいのことをしてみたり。
などなど、事例をあげたら枚挙にいとまがない。
事例から考えたとしても、インターネット上もリアルの延長上であるということを、忘れてしまう人がいる。
そんな人たちが自分勝手な思い込みや感覚でハラスメント行為を行ってしまうのではないかと考えられる。
物理世界と仮想世界でのハラスメントの違い
物理世界と仮想世界でハラスメントの何が違うのか。
論文から考察するに、物理世界で男性だったとしても、仮想世界で女性であれば標的にされてしまうということである。
また、物理世界で女性であれば、ストーカー行為やより悪質なハラスメントに発展する可能性も多々にしてあるということである。
結局のところ、どこの世界でも女性というものに対して「弱い」という偏見を持っているのではないかと考えられる。
ゆえにこのようなハラスメント行為というものが横行するのではないか。
女性だけの被害が多い結果が日本だけに限定されるのであれば、かつての歴史を振り返ってみると「男尊女卑」の文化が関係するかと考える。
しかしながら、北米やそのほかの地域でも同じ現象が起きていると考えると、前述で述べたとおり「女性=弱い」という公式が成り立つのではないかと思う。
念のため断っておくが、筆者は「女性が弱いから~」というような女性差別を訴えるつもりはないということをこの場で述べておく。
あくまでも、結果から見た結論ということで理解していただきたい。
次にメタバース特有の現象として「ファントムセンス」というものがある。

物理世界では触られていないのにも関わらず、仮想世界でその部分を触られたことによって、脳が物理世界でも接触していると誤認識することである。
このファントムセンスについて、ハラスメントを受けることによって、物理的に嫌な思いをすることになる。
ましてや、物理世界での性別がどうあれ、仮想世界では女性である自覚がプレイヤーにはある。
極端な話、いきなり胸なんかを触られた日にはセクハラなんて言葉では片づけられない。

ある種、暴行罪に近い行為になるのではないだろうか。
いくら仮想世界だからといって、そこに存在する以上は現実なのだ。
そのことの区別がつかない以上は、そのようなことを行うプレイヤーにはご退場願いたいものである。
物理世界への影響
メタバース内でのハラスメントは、物理世界へも影響を及ぼすことになることが、調査の中でわかっている。
人によっては、完全にプライベート空間でのみの交流に引きこもってしまったり、最悪、メタバース事態から一時的に身を引くこともある。
メタバース空間は開かれている自由な空間であるはずなのにも関わらず、一部のモラルがかけるユーザーのせいで、楽しみを奪われる結果となる。

それは果たして自由と言えるのであろうか。
束縛されるメタバース空間などに、何の魅力があるのだろうか。
私としては、はなはだ疑問が生じるところである。
このような悲しい現象を防ぐためにも、各プラットフォームにはユーザーブロック機能であたり、ミュート機能などが備わっている。
今はこれらの機能をしっかり活用して、自営をしなければならない。
メタバースへの法整備は必要か
論文中では法整備によるユーザー保護の必要性についても調査されている。
この問いかけに対し、大半のユーザーは法整備の必要性はなく、自然統治されることを望む声が多かった。
それもそのはずだろう。
自分たちの世界に、何も知らない人間が土足で踏み込んできて、勝手決まり事を作るなど言語道断。

それはまるで、人の家に来て勝手に家具や装飾を変えていくことと同意なのではないだろうか。
メタバース原住民たちはそのことを十分熟知しており、最も嫌う結果だと私は考える。
ゆえに現状を打破するためにはどうすればよいのかを、自分たちなりの方法で乗り越えようと今まさに挑戦しているのではないだろうか。
よって、法整備などによる縛りは無用である。
仮に法整備をしたところで、守らないユーザーは守らない。
このことは、現実世界でも同じことがいえる。
ということは、同じ人間がプレイしているのであれば、守らない奴は守らないのだ。
結論
結論として、メタバース内でのハラスメントについても、現実と同じ状況であることが分かった。
物理世界よりも匿名性が高い上に、法で罰せられることがないため、ハラスメントに対しても、どこか軽い気持ちで行っているのではないかと私は考えます。
ゆえに自分自身をしっかりと律し、現実と同じように接していかないと、いずれは裁かれる立場になることでしょう。
そうなったときにはもう遅い。
そうならないためにも、今この時からインターネットリテラシーを再確認し、健全なメタバースライフを送る必要がある。
そのように考えます。
願わくば現実と同じく、すべてのメタバース住民に平穏が訪れることを祈って。
今回参考にしました論文については、以下のURLから閲覧できます。
ぜひとも、ご覧ください。
https://note.com/nemchan_nel/n/n60fd28b43b3a