現代の娯楽の1つとして、「小説」というものがあります。
文字だけが並ぶ無機質な流れの中に、あたかもそこに存在するかのように躍動する人々たち。
その一文字一文字を追うごとに、その世界観に魅入られていき、読み終わるころには、その文字たちは華やかな色どりをもって読んだものの心の中で咲き乱れる。
小説や文章の持つ力を筆者なりに考えてみると、読み手の想像力にダイレクトに訴えかけてくる、非常に趣のある娯楽媒体だと考えています。
この文章から見える風景や人物の葛藤などは、さかのぼれば平安時代の枕草子や鎌倉時代の徒然草など、日本人にとっては切っても切り離せないものではないでしょうか。
今は活字離れが叫ばれてはいますが、それは紙媒体の話であって、実情は電子媒体で活字を読む若者が多いと聞きます。
そんな中でも、WEB小説などは電子媒体で読むことのできる活字として一番手軽で、とっつきやすい分野なのではないでしょうか。
今回インタビューをさせていただくのは、このWEB小説に造詣の深い「夜見ベルノ」さんというVtuber。
なんでも、ご自身でも気に入った作品などの朗読などもしていらっしゃるとのことを聞いておりますし、もちろん作品を読むことも欠かさない。
根っからの文学好きだということをお聞きしております。
はたして、今回のインタビューではどのようなことを語ってくれるのでしょうか。
しっかりと聞き耳を立てながら、一字一句逃さないようインタビューしていきましょう!
【夜見ベルノさんのTwitter等はこちらから】
Twitter:https://twitter.com/velno_yomi
Youtube:https://www.youtube.com/c/velnoyomi
Contents
インタビュー内容
夜見ベルノさんの自己紹介
初めまして。
仮想小説発掘家(バーチャルスコッパー)こと、夜見ベルノと申します。
Mi→RiSE(ミライズ)というVTuber事務所に所属して活動中です。
夜見ベルノさんがVtuberになろうと思った理由
「無限に面白い小説を読み続けるため」です。
前提として、私は空気を吸うように文字を読み続けなければ生きていけない「活字狂」です。
そんな私にとって、読みつくせないほど存在するWeb小説は、まさに救いそのものでした。
ところで「あらゆる創作は知られなければ存在しないも同じ」という言葉があります。
Web小説は日々膨大な数が生み出されており「面白いのに知られていない」という作品も多々あります。
中には反応のなさに絶望し、筆を折ってしまう作者さんもいるほどです。
ならば、その面白さを身をもって体感し、広める広告塔を作ればいい。
幸いにしてWeb小説界隈には、数多の作品から自分が面白いと思う作品を発掘する人々が存在します。
その人々を「スコッパー」と呼ぶ文化があるのですが、作品数に対してその人数は圧倒的に足りていません。
ならば、Web小説の潜在読者になりうる人間を増やせばいい。
読者の総数が増えれば、その中から「スコッパー」が出てくる確率も高まります。
同時に小説を書いてくれる作者も増えてくれるでしょう。
作者が増えれば面白い作品の総数も増える。
そして私は「面白い小説を読み続けることができる」。
では、どこから読者候補をつれてくるか――そのために選んだ手段が「VTuberのスコッパー」でした。
多少端折って書きましたが、更に詳しい話を読みたければこちらへ。 https://note.com/43berno/n/nfbd78a266e43
夜見ベルノさんの普段の活動
①読書実況
リスナーさんと共に、その日選んだ小説を一緒に読んでいく企画です。
「実況」と銘打っていますが、やっていることは「映画の同時視聴を小説で行う」というイメージです。
普通、小説の感想は作品を一通り読み切った状態で書かれるものですが、読書実況では読みながら、リスナーさんも含めてリアルタイムに感想を言うことで「複数人から同時に出てくる途中までの感想」を聞くことができます。
②夜見の本棚
私の活動の核であり、2023年7月で丸4年を迎えます。
1日1作、TwitterでWeb小説を紹介するシンプルな企画です。
作品と読者の出会いの場となることを期待しています。総紹介数は1500作以上。
③テーマトーク
昨今は作者さんそのものの魅力から作品に辿り着く、ということも頻繁にあります。
そこで考えたのが「あなたの得意なテーマで1時間トークしよう」というこの企画です。
時にはプロの作家さんも登場し、その意外な一面を見ることができるでしょう。
夜見ベルノさんがWEB小説で印象に残っている作品
「田んぼでエルフ拾った。道にスライム現れた」
https://syosetu.org/novel/223838/
現代日本が舞台の作品。
ある時、主人公の近所の田んぼに足を踏み外したエルフが埋まっていた。
時を同じくして、世界各地にスライムが現れるようになった。
最初は棒で叩いて倒せるレベルだったが、次第にゴブリンやオーク、果てはドラゴンまでが現れるように。
それは「異世界そのもの」が地球を飲み込もうとする、絶望的な世界危機の始まりだった。
作品そのものも非常に面白いのだが、読書実況させて頂いた翌日にスクエニさんから出版が決まったことで非常に印象深い作品。
2巻販売の折には私も本の帯に推薦文を書かせて頂きました。
https://magazine.jp.square-enix.com/sqexnovel/series/detail/tanbodeelf/
その他、特に印象深い作品はこちらにまとめています。
https://suki-connect.com/bookshelfs/4wDMLH3Xz0ciktmU3U0SJaltm6A2/all
夜見ベルノさんが朗読をするときに心がけていること
作品へのリスペクトを忘れず、否定的な言葉をできるだけ使わないようにすること」。
この企画は作者さんの作品を借りなければ成立しないものです。
そのため、ひっかかるようなポイントがあっても、できるだけ「このような意味だろうか」など否定的でない表現の仕方をするようにしています。
夜見ベルノさんの将来像
より多く、より広くWeb小説を広めていけるような「活動者」となりたいです。
「配信者」の枠に収まらずWeb小説を応援していける、様々な企画や活動につなげていきたいですね。
夜見ベルノさんからの宣伝
現在私が公式配信を担当している投稿小説サイト「ラノベストリート」にて、 「第一回ラノベストリート大賞」という公募が開催されています。
大賞受賞作は実際に本になるという大チャンスです。
私も審査をさせて頂きます。
期限は2023年8月いっぱいまで。ぜひご応募お待ちしております。
https://help.ln-street.com/lns_contest01/
【夜見ベルノさんのTwitter等はこちらから】
Twitter:https://twitter.com/velno_yomi
結論
さて、今回は電子の海に漂うWEB小説を発掘し、より多くの人の目に触れるよう布教、宣伝活動を行っている「夜見ベルノ」さんにお話を聞いていきました。
さすがは小説好きといわんばかりに、表現が洗練されていて、聞いているこちらも「なるほど、そういう表現の仕方もあるのか」などと、勉強させられる場面も多々ありました。
また、1つ1つの作品に対する「愛」が、とても深い方で、どの作品に対しても「この部分のこういうところがよい」と評価をできる点は、これまでに多くの作品たちを拾い上げ、そして見てきたからこそ言える業なのではないかと感じます。
小説の朗読についても、ご本人の言葉を借りるとするならば、作者への「リスペクト」を忘れず、感謝の気持ちを持って、読み進めている。
そのような相手にも配慮できる思慮深さというのも、これはまた「夜見」さんならではのVtuberとしての魅力なのではないでしょうか。
今後もこれから生まれてくるであろう作品たちを楽しみに待ちながら、良い作品をこの世界中に広めていく活動を続けていってもらいたいですね。
そして、いつの日かご自身が良き小説評論家として、大成していくことを心から祈るばかりです。
最後に、今回のインタビューにご協力いただきました「夜見ベルノ」さん。
本当にありがとうございました。
【夜見ベルノさんのTwitter等はこちらから】
Twitter:https://twitter.com/velno_yomi
Youtube:https://www.youtube.com/c/velnoyomi