円安の影響は回転ずし屋にまで影響
回転ずしと言えば、手軽に一皿100円でお寿司が食べられる、割とリーズナブルな外食のイメージを持っていらっしゃる方が多くいられるかもしれません。
ですが、その手軽さも昨今の円安の影響で値上げをせざるを得ない状況になってきていることを皆さんはご存じでしょうか。
今回は、回転ずし業界に起きている異変と私たちに影響することについて、見ていきたいと思います。

続々と値上げを打ち出す回転ずし業界
まずは値上げを発表している回転ずし店について。
くら寿司は、来月から商品の値上げについて発表をしています。
その他にも、はま寿司が6月に平日90円のサービスを終了しました。
また、スシローについても、9月いっぱいで現在の価格を終了し値上げするとの発表をしています。
これまでは、市民の味方であった回転ずしも徐々に値上げの波に飲み込まれています。

回転ずし屋:くら寿司の場合
くら寿司はこれまで「一皿100円(税別)」として提供してきたものを5円値上げし、「115円(税込み)」の値段での提供をすることになった。
その原因はやはり、ここ数か月で問題になっている円安。
この円安の影響で、すしのネタであるマグロをはじめ、様々な食材の小売価格が上がってしまったが故、価格の高い商品を仕入れなければならなくなってしまった。
そのため、企業努力だけでは価格の維持ができなくなってしまい、最終手段として商品の値上げに踏み切ることになったそうである。
くら寿司もこのまま手をこまねいているだけではなく、輸入品だけに頼らず、国産の食材に切り替えて、何とかして価格上昇を防ごうと企業努力をしていくとのこと。
また、100円の皿を値上げする代わりに、これまで200円だった皿を165円に値下げして、少しでもお客様が楽しんでいただける環境づくりを目指すとのこと発表している。
回転すし屋:かっぱ寿司の場合
かっぱ寿司では他社が値上げを発表するなか、100円メニューをこれまで以上に増やし、30商品を新たに追加し、値上げは行わない方針でいるとのこと。
新商品として増えるものとしては、浜焼き風玉子や卵黄ネギトロ軍艦などである。
100円メニューはすべて合わせると、84商品となり選べる幅も大きく増える見込みだ。
ただ、これでは円安の増加分を補填できないとして、200円以上の商品や再度メニュについて、随時魅力的な商品を取り揃えて、これまで以上に充実したラインナップで対応していくとのことであった。
値上げだけで済めばいいのだが・・・
ここからは筆者の考えになるが、果たして値上げだけでことは解決するのだろうか。
円安での高騰の前に、そもそも日本では新型コロナウイルスによる外出制限があった。
そのせいで、これまで外食に行って食べていた人たちも減り、開店休業状態であったり、客が来ないことにより閉店を余儀なくされた店もあったりした。
政府は支援金などの援助をしたが、さすがに通常の売り上げには遠く及ばず、大なり小なり外食産業は痛手をこうむり、今もまだもがき苦しんでいる状態である。
そこに、今回の円安による物価上昇。
日本は輸入に頼る国である以上、為替変動には敏感に反応してしまう。
これまでのダメージに、さらなる負荷がかかれば値上げという企業決断もやむを得ないだろう。
しかし、果たしてその値上げだけでことは済むのか正直疑問は残るところである。
この危機的状況を打破するには、どの回転ずし屋に限らず、外食店はこれまでにないサービスの提供であったり、機械による人件費の削減などが叫ばれるようになるだろう。
そうなったとき、その場所で働く従業員たちはしっかりと守られていくのか、ブラック企業かしていかないのかは注視しなければならない。
大変な得だからこそ、柔軟で斬新なアイデアをもって難局を乗り越える。
これができた企業がこの先生き残っていけるのではないかと思う。
それ以前に、早い新型コロナウイルスの終息と円安に対する対応を政府にはお願いしたい。